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静かに力強く沁みる、意志ある言葉

7月に入るも、雨続きです。

梅雨の時期はいつにもまして本を読みたくなります。

そんな訳で昨日買って昨日のうちに読んだ本のご紹介です。

【小さな声、光る棚   新刊書店Titleの日常】
辻山 良雄(著)

ここ数年は特定分野に特化した書籍だったり、小説がほとんどでしたのでエッセイは久しぶりでした。

著者の辻山さんは、荻窪の書店店主をされている方だそうで、書店経営の傍ら書評やブックセレクションの仕事も行われているそうです。

こうやってブログでアロマのことを書いたり、セッションのことを書くとき、お伝えしたいことはあるのだけれど…言葉を選び文章にすることは、いつまで経っても難しく感じている私です。そして自分の文章下手に泣く…。

文章表現ってどれだけ自分の中に言葉が埋まっているかで違ってきますし、それは経験もそうだけれど、どれだけ本を読み未知の世界を旅してきたかで差がでてくるものだと思っています。

エッセイは、個人の思想ですから言葉にそれが色濃くでていると、なんだかなあ…と若干引いたり、疲れて読む気が薄れたりするのですが、この本のページは心地よいペースでめくられ、著者辻山さんの思いが静かに沁みこんでいくそんな感覚になりました。

書店に限らず、個人でお店をされている方などは読まれると共感される箇所が多いのではないでしょうか?

コロナ渦での書店の日常も書かれていました。

ポジティブでもなければネガティブでもない。不安も隠すことなくただ淡々と仕事に取り組む姿を落ち着いた文章で綴られています。

○○した方がいい!とかそんな書き方は一切ありませんがそれでも読む人の心をクリアにしていく文章力。

書店の仕事、訪れる方とのやり取り、回想、特別なことを書かれているわけでもないのに読んでいて癒されていく自分がいました。

 

本の帯にはこう書かれてあります。

『まともに思えることだけやればよい。荻窪の書店店主が考えた、よき働き、よく生きること』

今この時に読むことが出来て良かった、お勧めの一冊です。

 

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