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生きる糧? 推しの存在

アロマのこと、体のこと、ブログではお役立ち情報も含め好きにいろいろ書いています。

こう見えて?読書も好きでして、読んだ本についても書いていこうと思います。
お付き合いいただけると嬉しいです。

遡りますが、1月くらいに読んだ本がこちら。

宇佐美りんさんの 『推し、燃ゆ』

タイトルにある『推し』という言葉。
どうです?惹かれませんか?
このタイトルで「読みたい!!」と思った方は多いはず。
ええ、私もその一人です^^

『推し』という言葉、今は人に対してだけでなくモノに対しても幅広く使われています。

主人公は、あるアイドルグループの一人を『推し』ている女の子です。

書店で手に取り数ページめくると
「ああ、これは今日で読み終えてしまう。」
そう分かりました。

『推し』対して抱く主人公の感情に触れた瞬間、引きずり込まれるかのように進むページ。

引きずり込まれたのか、それとも自らのみ込まれていったのか、よく分からないような感覚が常にあり、読後は何とも言えない疲労感が…。

内容は詳しく書きませんが、登場人物全てに不安ややり場のない苛立ち、落ち着きどころを捜しながら、どうあっても解消できない思いがあり、感情移入してしまったのだと思います。

『推し』という存在が、元気をくれる、活力になる、プラスなイメージってありますよね。

それだけでなく癒しや救いにもなったり。

主人公は、ともすれば周囲から誤解されがちな『推し』という存在に、同じように家族を含め周囲から理解されにくい自分を重ね合わせ、のめり込むことで自身の“生”を唯一感じて全てを捧げます。
近い距離ではなく、近しい人でもなく『推し』はもう一人の自分。

歪ともとれる心の在り方に、どれだけの生きづらさを抱えてきているかが表れているように感じました。

それでも…やがて『推し』は自分とは違うと分かる瞬間が訪れます。

僅かでも、前に動こうとする主人公の姿を、希望と捉えていいものなのか?
これからも続く日常の中で、自分を保つ術が見つかることを祈るような気持ちで読み終えた本でした。

 

著者の宇佐美りんさんはとてもお若いのですね。
驚きました。
前作も読んでみたいと思います。

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